「電動車椅子? いやぁ、高いし、自分じゃ絶対に買わないよ」
先日、私の父に最新のモビリティ『WHILL(ウィル)』の話をしたところ、こんな返事が返ってきました。
一見すると「興味がない(いらない)」という拒絶の言葉に聞こえます。
しかし、シニア心理を深く紐解くと、この言葉の裏には「自分のお金で買うには、心理的なハードルが高すぎる」という本音が隠されているのです。

自分のお金で30万円、40万円も出して『足腰が弱った自分』を認めるような物を買うのは、やっぱり抵抗があるんだよ…。それに、そんな大金があるなら孫に使いたいしな。

その気持ち、すごく分かります。でも逆に言うと、「自分では買わないけど、あると便利だとは思っている」のがシニアのリアルな本音なんですよね。
実はWHILLは、「自分で買う人」よりも「家族からプレゼントされる人」の方が圧倒的に満足度が高いという面白いデータがあります。
今回は、なぜ親は自分では買わないのか、そしてなぜ子供があえてプレゼントすべきなのか。
その「3つの理由」と、失敗しないモデル選びについて解説します。
理由①:親には「使うための言い訳」が必要だから

高齢者がシニアカーや杖を使い始める時、一番の邪魔になるのは「プライド」です。
自分のお金で買うことは、「私はもう、これがないと歩けない身体になってしまった」と自ら認める行為(敗北宣言)のように感じてしまうのです。
しかし、これが「子供からのプレゼント」になると、話はガラリと変わります。
- 自分で買った場合:
「足が弱ったから、仕方なく乗っている(自分への言い訳ができない)」 - 貰い物の場合:
「子供が心配して贈ってくれたから、仕方なく乗ってあげている」
この「子供の顔を立てる」という大義名分(言い訳)があるだけで、親御さんは驚くほど堂々と、嬉しそうにWHILLに乗れるようになります。
近所の人に「あら、いい車椅子ね」と言われても、「ああ、息子が勝手に送ってきちゃってねぇ。断るのも悪いから使ってるんだよ(笑)」と、照れ隠ししながら自慢できるのです。
理由②:「モノ」ではなく「新しい人生(体験)」を贈れるから

30万円〜50万円という価格は、確かに安くはありません。
しかし、これを「ただの電動車椅子(モノ)」と考えるか、「あと10年、元気に外を出歩けるチケット(体験)」と考えるかで価値は変わります。
家に引きこもりがちだった親が、WHILLを手に入れたことでどう変わったか。
実際の口コミを見てみましょう。
- 「あきらめていた孫の運動会に行けた」
広い校庭や砂利道も、WHILLなら楽々走破できます。
- 「近所の友人の家まで、気兼ねなくお茶を飲みに行けるようになった」
タクシーを呼ぶほどではない「1km〜2km」の距離が、最も得意なエリアです。
- 「夫婦で京都旅行に行き、広い寺院を回ることができた」
多くのモデルが車に積載可能なので、旅行先での足として活躍します。
あなたが贈るのは、機械の塊ではありません。
「もう一度、行きたい場所に行ける自由」と「健康寿命」そのものです。
そう考えれば、決して高い買い物ではないはずです。
理由③:免許返納の喪失感を埋める「最強の交換条件」になる

「車の運転が危ないから、免許を返納してほしい」。
そう説得しても、親が頑として首を縦に振らないケースは多いですよね。
それは車が単なる移動手段ではなく、「自由の象徴」であり「アイデンティティ」だからです。
ただ「車を取り上げる」だけでは、親は急激に老け込みます。
そこで提案したいのが、「車の鍵と引き換えに、WHILLという新しい『愛車』を渡す」という交換条件です。

特に最近のWHILLは、トヨタやホンダなどの自動車ディーラーでも販売されています。『車を降りて、次の車(WHILL)に乗り換える』というストーリーを作ってあげると、親御さんのプライドも守られますよ。
▼ コスト面での説得材料▼
維持費(ガソリン代、車検代、保険代、税金)で年間30万〜50万円かかっていた車を手放せば、WHILLの購入費用(26万円〜)なんて、わずか1年足らずで元が取れてしまいます。
しかもWHILLは「非課税」なので、消費税もかかりません。
【2025年版】どれを贈る?Model C2 / F / S / R 徹底比較


Model C2
Model F


Model S
Model R
「じゃあ、どれを買えばいいの?」と迷う方へ。
現在、主に4つのモデルがラインナップされています。
親御さんの住環境や「折りたたみたいか」に合わせて選びましょう。
| 機種 | Model C2 (プレミアム) | Model F (折りたたみ) | Model S (スクーター) | Model R (コンパクト) |
|---|---|---|---|---|
| 特徴 | 乗り心地No.1 5cm段差もOK | 軽量・折り畳み 旅行・車載に | 安定感抜群 一軒家向け | 小回り最強 マンション向け |
| 操作 | マウス型 | マウス型 | ハンドル型 | ハンドル型 |
| 重さ | 約52kg | 約27kg (最軽量) | 約63kg | 約50kg |
| 電池 | 取外して充電 | 取外して充電 | 直接充電 | 取外して充電 |
| 価格 | 48万円台〜 | 27万円台〜 | 26万円台〜 | 34万円台〜 |
(※価格は非課税)
★迷ったらこれ!親のタイプ別診断
- 「旅行に行きたい」「タクシーに乗せたい」親御さん
👉 Model F 一択です。
唯一、パタンと折りたたんでタクシーのトランクに載せられるモデルです。新幹線旅行などが趣味なら絶対にこれ。
- 「自転車やバイクに乗っていた」「一軒家」の親御さん
👉 Model S がおすすめ。
ハンドル操作で安定感があり、価格も最も手頃です。
- 「マンション住まい」「スーパーの中で使いたい」親御さん
👉 Model R (2025年注目)。
スクーター型なのにその場で旋回できるほど小回りが効き、バッテリーを外して室内充電も可能です。
- 「とにかくカッコいいのがいい」「乗り心地重視」の親御さん
👉 Model C2。
サスペンションが効いており、長時間の移動でも疲れません。
プレゼントの成功率を上げる「渡し方」のコツ

いきなり「はい、これ使って」と渡すと、「年寄り扱いするな!」と怒られるリスクがあります。
スムーズに受け取ってもらうための「魔法の言葉」を紹介します。
パターンA:免許返納のお祝いとして
「今まで長い間、運転お疲れ様でした。これは『退職金』代わりの次の愛車だよ。維持費もかからないから、これでまた好きなところに行ってね」
パターンB:孫をダシに使う
「今度、孫(〇〇ちゃん)と動物園に行きたいんだけど、広いから歩くの大変でしょ? 〇〇ちゃんと一緒に回るために、これに乗ってくれないかな?」
パターンC:まずはお試し(レンタル)から
「便利そうだから、1ヶ月だけレンタルしてみたよ。 もったいないから試しに乗ってみて。気に入らなかったら返すから大丈夫。」
特に「パターンC」は最強です。
一度乗ってその快適さを知ってしまうと、9割の親御さんは「返したくない」と言い出します(笑)。
よくある質問(FAQ)
プレゼントする側の子供世代が気になる疑問をまとめました。
Q1. 盗難が心配です。鍵はありますか?
A. あります。
Model C2/Fはスマートキー(アプリ連携または専用キー)、Model S/Rには物理キー(鍵)が付属しています。
鍵を抜けば動かないので、スーパーの前に停めておいても安心です。
Q2. どこで充電するの?
A. モデルによって異なります。
- Model C2 / F / R:
バッテリーを「パカッ」と取り外して、スマホのように室内で充電できます。
- Model S:
車体に直接コードを挿して充電します。駐車場にコンセントがない場合は、他のモデルを選びましょう。
Q3. 介護保険は使えないの?
A. 使えますが、条件があります。
原則として「要介護2以上」の認定を受けていれば、月額2,000円〜3,000円程度でレンタル可能です。
※「まだ元気だけど足が痛い」という自立〜要支援の方は、介護保険対象外となるため、購入か自費レンタル(月1.5万円〜)になります。
まとめ:親孝行のタイミングは「今」しかない
「自分では買わない」。
お父様のこの言葉は、実は「誰かに背中を押してほしい」というサインです。
足腰が完全に弱ってしまってからでは、外出する気力さえなくなってしまいます。
「まだ元気なうちに」プレゼントするからこそ、WHILLを使って色々な場所へ出かけ、たくさんの思い出を作ることができるのです。
次の誕生日、あるいは敬老の日や免許返納のタイミングで。
「これからも元気でいてね」という言葉と一緒に、新しい翼を贈ってみませんか?
▼免許返納の全体的な流れや、他のステップについて知りたい方はこちら▼


