「親が免許返納したら、タクシー券とかバス券ってもらえるの?」
「自治体の補助金や助成制度って、どこで調べればいいの?」
親の免許返納を考え始めると、次に気になるのが返納後の移動費です。
車を手放せば、ガソリン代や保険料、車検代は減るかもしれません。
その一方で、通院、買い物、役所、銀行、親戚付き合いなどで、タクシーやバスを使う機会が増えることもあります。
そこで確認したいのが、自治体の支援制度です。
自治体によっては、免許を自主返納した高齢者に対して、タクシー券、バス券、交通系ICカード、コミュニティバスの割引、交通用具購入助成などを用意している場合があります。
ただし、これらの支援は全国一律ではありません。対象年齢、申請期限、支援金額、必要書類、使える交通機関は自治体によって大きく違います。
この記事では、免許返納後のタクシー券・バス券・自治体支援について、実際にある制度の例を紹介しながら、申請前に確認したいポイントと調べ方を整理します。

免許返納したら、どこの自治体でもタクシー券がもらえると思っていたけど、違うの?

そこは注意が必要です。
支援制度がある自治体もありますが、内容は地域ごとにかなり違います。
「返納したら自動的にもらえる」と思わず、返納前に自治体の公式サイトや窓口で確認しておくのが安心です。
【結論】免許返納後の支援制度は自治体によって大きく違う

免許返納後のタクシー券・バス券・交通費助成は、全国共通の制度ではありません。
自治体によって、支援の有無も、内容も、申請条件も異なります。
よくある支援には、次のようなものがあります。
| 支援の種類 | 内容の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| タクシー券 | 一定額分のタクシー券を交付 | 年齢条件、申請期限、有効期限がある |
| バス券・定期券補助 | 路線バスやコミュニティバスの利用を支援 | 対象路線や利用条件が地域で異なる |
| 交通系ICカード | 一定額チャージ済みカードを交付 | 使える交通機関を確認 |
| タクシー割引券 | 運賃の一部を割引 | 使える事業者や上限額がある |
| 交通用具購入助成 | 自転車・シニアカーなどの購入費を一部助成 | 対象品目や領収書の条件を確認 |
| 運転経歴証明書の手数料助成 | 交付手数料を助成する場合がある | 申請場所や期限を確認 |
| 見守り・外出支援 | 高齢者の外出や安否確認を支援 | 交通費支援とは別制度の場合がある |
まず覚えておきたいのは、次の3つです。
- 自治体支援は「ある地域」と「ない地域」がある
- 支援内容は年度ごとに変わることがある
- 申請期限を過ぎると利用できない場合がある
そのため、免許返納を決める前に、親御さんの住んでいる市区町村で支援制度を確認しておきましょう。
免許返納の全体的な流れを先に確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
▼ 免許返納の全体ロードマップはこちら ▼

免許返納後に受けられる自治体支援の主な種類
自治体支援は、大きく分けると「交通費を補助する制度」と「次の移動手段を整える制度」に分かれます。
1. タクシー券
もっとも分かりやすい支援が、タクシー券の交付です。自治体によっては、免許を自主返納した高齢者に対し、一定額分のタクシー券を交付している場合があります。
ただし、次のような条件が付くことがあります。
- 対象年齢
- 住民登録
- 自主返納からの申請期限
- 交付は1回限り
- 利用できるタクシー会社
- 1回の乗車で使える枚数
- 有効期限
- 本人のみ利用可
- 紛失時の再発行不可
タクシー券は便利ですが、通院や買い物のすべてをまかなえるとは限りません。「どれくらいの頻度で使うか」「差額の自己負担はいくらか」を家族で考えておきましょう。
2. バス券・交通系ICカード
地域によっては、バス券や交通系ICカードを交付する制度があります。
路線バス、コミュニティバス、鉄道、タクシーなど、使える範囲は自治体によって異なります。特に地方では、バスの本数が少ない地域もあります。
制度があっても、親御さんの生活圏で使いやすいかどうかを確認してください。
3. コミュニティバス・デマンド交通の割引
自治体によっては、コミュニティバスやデマンド交通を運行している場合があります。
デマンド交通とは、決まった路線バスとタクシーの中間のような仕組みで、予約して利用する地域交通です。
ただし、利用できるエリア、予約方法、運行日、乗降場所、料金は地域によって大きく違います。スマホや電話予約が必要な場合もあるため、親御さん本人が使えるか、家族が代行できるかも確認しましょう。
4. 運転経歴証明書の交付手数料助成
免許を自主返納した後は、運転経歴証明書を申請できる場合があります。
警察庁によると、平成24年4月1日以降に交付された運転経歴証明書は、運転免許証に代わる公的な本人確認書類として利用できます。
ただし、自主返納後5年以上、または免許失効後5年以上が経過している場合などは、交付を受けられないことがあります。
自治体によっては、この運転経歴証明書の交付手数料を助成する制度を用意している場合があります。
運転経歴証明書について詳しく知りたい方は、こちらの記事も確認してください。
▼ 運転経歴証明書の手続きはこちら ▼

5. シニアカー・自転車など交通用具購入助成
一部の自治体では、免許不要の交通用具を購入する際の助成を行っている場合があります。
対象になる可能性があるものとしては、次のようなものがあります。
- 自転車
- 電動アシスト自転車
- シニアカー
- 電動車いす
- その他、自治体が認める免許不要の交通用具
ただし、対象品目や金額、購入時期、必要書類は自治体ごとに違います。購入後でないと申請できない場合もあれば、事前確認が必要な場合もあります。自己判断で先に購入せず、自治体に確認してください。
自治体によっては、シニアカーなど免許不要の交通用具が支援対象になる場合があります。購入前に、制度の対象になるか、試乗できるか、保管場所があるかを確認しましょう。
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実際にある自治体支援の例

ここでは、実際に自治体が公式に案内している支援制度の例を紹介します。
ただし、制度内容は年度ごとに変更・終了する場合があります。下記はあくまで「自治体によってこのような支援がある」という例として見てください。
大分市の例
大分市では、運転免許を自主返納した70歳以上の市民を対象に、条件を満たす場合、タクシーチケットまたは交通用具購入奨励金を選べる制度が案内されています。
大分市の制度では、たとえば次のような条件があります。
- 大分市に住民登録がある
- 運転免許を自主返納した日から90日以内
- 返納時に70歳以上
- タクシーチケットまたは交通用具購入奨励金のいずれかを選択
- 取消通知書などの書類が必要
大分市のように、タクシー券だけでなく、シニアカーなどの交通用具購入に関係する支援を用意している自治体もあります。ただし、返納時期や申請期限が細かく決められているため、公式ページで最新情報を確認してください。
山形市の例
山形市では、70歳以上の自主返納者を対象に、条件を満たす場合、タクシー券を交付する制度が案内されています。
山形市の制度では、たとえば次のような条件があります。
- 山形市に住所がある70歳以上の方
- 自主返納後1年以内の申請
- 過去に同制度のタクシー券などを受けていない
- 運転免許証の取消通知書などが必要
- 交付されたタクシー券には利用期限や利用枚数の条件がある
山形市のように、外出のきっかけづくりや閉じこもり防止を目的にした支援制度もあります。ただし、対象条件や金額は変更される可能性があるため、申請前に公式情報を確認してください。
唐津市の例
唐津市では、運転免許証を自主返納した高齢者に対して、タクシー利用券または交通系ICカードを交付する制度が案内されています。
唐津市の制度では、たとえば次のような内容があります。
- 有効期限が残っている運転免許証を自主返納した人が対象
- 唐津市に住民登録がある
- 自主返納時に65歳以上
- 初回申請は自主返納から1年以内
- タクシー利用券または交通系ICカードのいずれかを選択
- タクシー利用券には月あたりの枚数や助成上限がある
- 交通系ICカードはバス、電車、タクシー利用に使える場合がある
唐津市のように、タクシー券と交通系ICカードを選べる自治体もあります。ただし、使える交通機関や併用できない制度もあるため、利用前に確認してください。
申請前に確認したい7つのポイント
自治体支援を使う場合は、返納前に次の7つを確認してください。
1. 対象年齢
支援制度には、65歳以上、70歳以上などの年齢条件が付いていることがあります。親御さんが対象年齢に入っているか確認しましょう。
2. 申請期限
多くの制度では、自主返納後90日以内、1年以内などの申請期限があります。「返納してから落ち着いたら申請しよう」と思っていると、期限を過ぎてしまうことがあります。
3. 住民登録
支援を受けるには、その自治体に住民登録があることが条件になる場合があります。親御さんが実際に住んでいる場所と住民票の住所が違う場合は注意してください。
4. 取消通知書の要否
免許返納時に交付される「申請による運転免許の取消通知書」が必要になる自治体があります。再発行できない扱いの自治体もあるため、紛失しないように保管してください。
5. 運転経歴証明書の要否
支援制度によっては、運転経歴証明書の提示が必要になる場合があります。運転経歴証明書は、返納後の本人確認書類としても使えるため、免許返納時にあわせて確認すると安心です。
6. 代理申請の可否
本人が窓口へ行けない場合、家族が代理申請できることもあります。ただし、委任状、本人確認書類、印鑑などが必要になる場合があります。自治体によって取り扱いが異なるため、事前に確認しましょう。
7. 支援の有効期限・使える場所
タクシー券やバス券には有効期限があります。また、使えるタクシー会社や交通機関が決まっている場合があります。「もらったけれど使える場所が少なかった」とならないよう、親御さんの生活圏で使えるかを確認してください。
自分の自治体で支援制度を調べる方法
親御さんの住んでいる自治体で支援制度を調べるときは、次のような検索キーワードを使ってください。
- 自治体名 免許返納 タクシー券
- 自治体名 運転免許 自主返納 支援
- 自治体名 高齢者 交通費 助成
- 自治体名 運転経歴証明書 手数料 助成
- 自治体名 免許返納 バス券
- 自治体名 免許返納 交通系ICカード
検索するときは、「都道府県名」よりも「市区町村名」で探す方が見つかりやすいです。
- 八王子市 免許返納 タクシー券
- 青梅市 免許返納 支援
- 大分市 免許返納 タクシー券
- 山形市 自主返納 タクシー券
- 唐津市 免許返納 支援
公式サイトで見るべき場所
自治体サイトでは、次のようなページに掲載されていることが多いです。
- 高齢者福祉
- 交通安全
- 生活安全
- 防災・安全
- 公共交通
- 地域交通
- 長寿支援
- 福祉課
- 高齢者支援課
見つからない場合は、市役所・区役所に電話して、次のように聞くと早いです。
- 高齢の親が運転免許の自主返納を考えています。
- 免許返納後に使えるタクシー券、バス券、交通費助成、運転経歴証明書の手数料助成などはありますか?
- 対象年齢、申請期限、必要書類、代理申請の可否も教えてください。
自治体へ問い合わせる前に準備するもの
自治体へ問い合わせる前に、次の内容を整理しておくと、対象になる制度や必要書類を確認しやすくなります。
- 親御さんが住んでいる市区町村
- 親御さんの年齢
- 免許を返納した日または返納予定日
- 申請による運転免許の取消通知書の有無
- 運転経歴証明書の有無
- 希望する支援内容
- 支援制度の申請期限
- 本人以外による代理申請の可否
- 必要な本人確認書類
自治体支援だけで足りない場合の移動手段

タクシー券やバス券があっても、日常の移動をすべてまかなえるとは限りません。特に、通院、買い物、雨の日、夜間の移動では、別の手段も必要になることがあります。
タクシー・家族送迎
通院や雨の日の外出では、タクシーや家族送迎が現実的な選択肢になります。ただし、家族送迎だけに頼ると、家族側の負担が大きくなります。
▼ 免許返納後の通院手段はこちら ▼
免許返納後の通院手段を比較する
コミュニティバス・デマンド交通
自治体によっては、コミュニティバスやデマンド交通を利用できる場合があります。ただし、予約方法や運行日、利用できるエリアが地域で異なります。
▼ 田舎に住む親の移動手段はこちら ▼
田舎に住む親の移動手段を組み合わせて考える
WHILL・シニアカー
近所の買い物や散歩を自分のペースで続けたい場合は、WHILLやシニアカーも候補になります。ただし、購入前には保管場所、充電環境、段差、坂道、本人の操作しやすさを確認してください。
いきなり購入せず、試乗やレンタルで確認する流れが安心です。
▼ WHILL試乗・レンタル記事はこちら ▼

▼ 保管場所・充電環境はこちら ▼

▼ お金と制度の確認はこちら ▼

買い物宅配・食事宅配
免許返納後は、移動手段だけでなく、重い荷物や食事の問題も出てきます。
タクシー券があっても、米・水・日用品のために毎回タクシーを使うと費用がかさみます。
買い物や重い荷物の負担が大きい場合は、タクシー券だけで解決しようとせず、コープ・ネットスーパー・食事宅配を組み合わせると移動回数を減らせる場合があります。
▼ 免許返納後の買い物対策はこちら ▼

車を手放す場合は、売却・廃車も同時に考える

免許返納後に車を使わなくなる場合は、車をそのまま置いておくか、売却するか、廃車にするかも考える必要があります。
車を残しておくと、自動車税、保険料、駐車場代、車検費用がかかり続ける場合があります。
一方で、すぐに売ってしまうと、返納後の移動手段が整う前に困ることもあります。
まずは、次の順番で考えましょう。
- 免許返納後の移動手段を決める
- タクシー券・バス券など自治体支援を確認する
- 車を残すか、売却するか、廃車にするかを決める
- 売却する場合は複数の査定で相場を確認する
下取りだけで即決せず、複数査定で相場を見てから判断すると安心です。
免許返納後に車を使わない可能性が高い場合は、まず現在の買取相場を確認しておくと、WHILL・シニアカー・タクシー代など次の移動費を考えやすくなります。
車売却の詳しい注意点は、以下の記事へ内部リンクしてください。
▼ 免許返納後の車売却はこちら ▼

離れて暮らす親には見守りも組み合わせる
免許返納後は、外出が減ったり、買い物や通院の回数が変わったりします。
離れて暮らす家族にとっては、「ちゃんと外に出ているか」「買い物に行けているか」「体調を崩していないか」も心配になります。
タクシー券やバス券は移動費の支援にはなりますが、安否確認の仕組みとは別です。
必要に応じて、GPS、ホームセキュリティ、見守りサービス、定期電話、地域包括支援センターへの相談も組み合わせましょう。
ただし、見守りサービスは本人のプライバシーにも関わります。導入前に目的を説明し、親御さんの同意を得ることが大切です。
離れて暮らす親御さんの外出や安否が心配な場合は、自治体支援とあわせて、家族が無理なく続けられる見守り方法も確認しておきましょう。
▼ 見守りサービスの比較はこちら ▼

免許返納後の自治体支援に関するFAQ
Q1. 免許返納後、タクシー券はもらえますか?
A. 自治体によって異なります。
タクシー券やバス券などの支援制度は、自治体によって有無や内容が異なります。親御さんの住んでいる市区町村の公式サイトや窓口で確認してください。
Q2. 免許返納後の自治体支援はどこで調べればいいですか?
A. 市区町村名を入れて検索するのが近道です。
「自治体名 免許返納 タクシー券」「自治体名 運転免許 自主返納 支援」「自治体名 高齢者 交通助成」などで検索してください。
見つからない場合は、市区町村の高齢者福祉課、交通安全担当、地域交通担当などへ電話で確認すると早いです。
Q3. 申請期限を過ぎるとどうなりますか?
A. 支援を受けられない場合があります。
自治体によって、自主返納後90日以内、1年以内などの期限が決められていることがあります。免許返納前に期限を確認しておきましょう。
Q4. 運転経歴証明書がないと支援は受けられませんか?
A. 自治体によって異なります。
取消通知書だけで申請できる場合もあれば、運転経歴証明書が必要な場合もあります。
また、運転経歴証明書は返納後の本人確認書類として役立つため、返納時にあわせて確認すると安心です。
Q5. 家族が代理で申請できますか?
A. 代理申請を認めている自治体もあります。
ただし、委任状、本人確認書類、印鑑などが必要になる場合があります。自治体によって必要書類が違うため、事前に確認してください。
Q6. タクシー券だけで通院や買い物は足りますか?
A. 足りるかどうかは、利用頻度、距離、タクシー料金、支援額によって変わります。
通院が多い方や買い物の頻度が高い方は、タクシー券だけでなく、バス、デマンド交通、買い物宅配、家族送迎、WHILL・シニアカーなどを組み合わせて考えると安心です。
Q7. シニアカーやWHILLの購入に自治体支援は使えますか?
A. 一部の自治体では、免許不要の交通用具購入を支援対象にしている場合があります。
ただし、対象品目、金額、購入時期、必要書類は自治体によって異なります。購入前に、自治体へ確認してください。
Q8. 自治体支援がない地域ではどうすればいいですか?
A. 自治体支援がない場合でも、移動手段を組み合わせることはできます。
タクシー、コミュニティバス、デマンド交通、買い物宅配、家族送迎、WHILL・シニアカーなどを、親御さんの生活に合わせて検討しましょう。
まとめ:免許返納前に「自治体支援」と「次の移動手段」をセットで確認しよう
免許返納後のタクシー券・バス券・自治体支援は、親御さんの生活を支える助けになる場合があります。
ただし、全国どこでも同じ制度があるわけではありません。自治体によって、対象年齢、支援内容、申請期限、必要書類、使える交通機関は大きく違います。
まずは、次の順番で確認しましょう。
- 親御さんの住んでいる自治体で支援制度があるか調べる
- 対象年齢と申請期限を確認する
- 取消通知書や運転経歴証明書など必要書類を確認する
- タクシー券・バス券が生活圏で使えるか確認する
- 支援だけで足りない場合の移動手段を考える
- 車を手放す場合は売却・廃車も確認する
- 買い物・通院・見守りもセットで整える

自治体支援って、あるかないかだけじゃなくて、申請期限や使える場所まで見ないといけないんだね。

その通りです。
返納してから慌てるより、返納前に「使える制度」と「次の移動手段」を一緒に確認しておくと安心です。
▼ 免許返納の全体的な流れはこちら ▼

▼ 免許返納後の移動手段はこちら ▼




