「ガソリン代がかからないのは分かった。」
「でも、バッテリー交換で何万円も飛ぶんでしょ?」
車の維持費地獄から抜け出したくてWHILL(ウィル)や電動車椅子を検討しているものの、新たな「維持費」におびえている方へ。
その感覚、非常に鋭いです。
結論からいうと、WHILLの電気代は比較的安い一方、バッテリーは消耗品のため、使用状況によっては将来的に交換費用がかかります。
ただし、バッテリーの寿命は一律に「3年」と決まっているわけではありません。使用頻度や走行環境、保管状態、気温、充電回数などによって変わります。
今回は、現行モデルのバッテリー価格を確認しながら、電気代・保険・タイヤなどを含め、WHILLを5年間使用した場合の維持費を試算します。

ようやく親父を説得して車を手放させたのに、今度は「バッテリー交換で数万円かかる」って聞いてビビってるんだ。結局お金がかかるなら、ボロい軽自動車を乗り潰した方がマシだったんじゃないか…?

確かにバッテリー交換はまとまった出費になります。ただし、電気代・車検・自動車税などを含めて自動車と比較すると、維持費は抑えやすい傾向があります。今回は、実際に必要になる費用を一つずつ確認していきましょう。
【電気代】1回の充電は約7~15円が目安

WHILLの充電にかかる電気代は、モデルや契約している電力会社・料金プランによって異なります。
WHILL公式FAQでは、1回の充電にかかる電気代の目安として、次の金額が案内されています。
- Model C・C2系:約7円
- Model S:約15円
仮に毎日1回充電した場合でも、1か月の電気代は約210~450円です。
ただし、毎回バッテリーを空の状態から満充電するとは限らないため、実際の電気代は使い方によって変わります。
また、満充電時の走行可能距離は、Model C2が約18km、Model Sが約33kmと案内されていますが、坂道、路面状況、利用者の体重、気温、バッテリーの劣化状態などによって短くなる場合があります。
このように、WHILLはバッテリー交換にはまとまった費用がかかる一方、日常の充電費用は比較的抑えやすいといえます。
バッテリー交換費用が心配なら介護保険レンタルも選択肢

「数年後にまとまったバッテリー交換費用を支払うのが不安」という方は、購入だけでなく、介護保険を利用したレンタルも検討できます。
介護保険では、電動車椅子は福祉用具貸与の対象です。
ただし、要支援1・2および要介護1の方は原則として対象外です。
身体状況や生活環境によっては例外的に貸与が認められる場合もあるため、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談してください。
WHILLの介護保険レンタル料金の目安
WHILL公式では、介護保険を利用した場合の月額料金について、次の目安を案内しています。
| 介護保険レンタル機種 | 月額料金の目安 |
|---|---|
| Model RK | 約2,500円~2,800円 |
| Model CK2 | 約2,700円 |
実際の利用料金は、レンタル事業者、利用者の負担割合、地域などによって異なります。
なお、購入用のModel R・Model C2と、介護保険レンタル用のModel RK・Model CK2では、仕様や利用できる機能が一部異なります。
Model Fは、現在のところ介護保険レンタルの対象ではありません。
修理やバッテリー交換の扱いは事業者に確認する
介護保険レンタルでは、貸与事業者による点検や定期的なモニタリングを受けられるのが一般的です。
ただし、修理やバッテリー交換がすべて無条件で無料になるとは限りません。
通常使用による故障なのか、事故や誤った使い方による破損なのかによって、費用負担が変わる可能性があります。
契約前に、次の点を確認しておきましょう。
- バッテリーが劣化した場合の交換費用
- 故障時の修理費用
- 事故や破損時の自己負担
- 点検や代替機の対応
- 解約や機種変更の条件
介護保険レンタルは、まとまった交換費用を抑えやすい一方、長期間利用すると購入より総額が高くなる場合もあります。
介護認定の有無だけで決めず、利用期間、月額料金、保守内容を購入費用と比較して選びましょう。
▼ バッテリーを長持ちさせる「保管方法」はこちら ▼

タイヤ・保険】交換費用と補償内容を確認しよう

バッテリー以外にも、長期間使用すればタイヤ交換や点検費用が発生する可能性があります。
また、事故に備えて、現在加入している保険でシニアカー・電動車椅子の利用中も補償されるか確認しておくことが大切です。
タイヤ交換が必要になる場合もある
WHILLのタイヤ構成は、モデルや前輪・後輪によって異なります。
ノーパンクタイヤが採用されている部分もありますが、すべてのモデル・すべての車輪が同じ構造とは限りません。
また、パンクしないタイヤでも、表面の摩耗やひび割れ、走行時の違和感などが発生すれば、点検や交換が必要です。
タイヤの寿命を一律に「5年以上」と判断せず、次のような変化があれば販売店へ相談しましょう。
- タイヤの溝や表面が大きく摩耗している
- ひび割れや欠けが見られる
- 以前より直進しにくくなった
- 走行時の振動や音が大きくなった
- 左右のタイヤで減り方が大きく異なる
タイヤ交換費用はモデルや交換箇所、作業工賃によって異なるため、購入店や販売店で見積もりを確認してください。
保険は現在の契約内容を最初に確認する
WHILLで人や物にぶつかり、法律上の賠償責任が発生する可能性はあります。
まずは、本人または同居家族が加入している火災保険や自動車保険などに、個人賠償責任補償が付いているか確認しましょう。
ただし、契約によって補償対象者や対象となる事故、限度額、免責事項が異なります。
「個人賠償責任特約が付いているから大丈夫」と自己判断せず、シニアカーや電動車椅子を使用中の事故も補償対象になるか、保険会社へ直接確認してください。
WHILL公式の保険・ロードサービス付きプランもある
WHILLでは、保険やロードサービスなどをまとめた有料サービスも提供しています。
2026年6月時点の公式価格は次のとおりです。
| サービス | 1年間の料金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| WHILL Smart Care | 19,800円 | 保険・ロードサービス・メディカルアシスト |
| WHILL Premium Care | 26,400円 | 上記に加えて対象機種では家族向けの情報共有サービス |
両サービスには、相手への個人賠償責任補償だけでなく、利用者自身のケガへの補償や、故障時に車体を搬送するロードサービスも含まれます。
そのため、一般的な個人賠償責任特約と単純に料金だけを比較するのではなく、必要な補償やサービス内容を見て判断しましょう。
※料金・対象機種・補償内容は変更される可能性があります。申し込み前にWHILL公式サイトや規約をご確認ください。
【5年間の総額】WHILLの維持費をシミュレーション

ここでは、WHILLを5年間使用し、その間にバッテリーを1回交換した場合の維持費を試算します。
試算条件
- 週3回程度使用
- Model C2・F・Rのいずれかを想定
- 5年間でバッテリーを1回交換
- タイヤ交換や故障修理は発生しないものとして計算
- 保険や有料サポートは、契約内容によって費用が大きく異なるため別に計算
保険・有料サポートを除いた基本維持費
| 項目 | 5年間の費用 | 備考 |
|---|---|---|
| 電気代 | 約5,500円 | 1回約7円、週3回充電として試算 |
| バッテリー交換 | 71,500円 | 1回交換した場合 |
| タイヤ交換 | 0円 | 交換が発生しない前提 |
| 故障修理 | 0円 | 修理が発生しない前提 |
| 車検・自動車税 | 0円 | シニアカーには不要 |
| 基本維持費の合計 | 約77,000円 | 年間平均約15,400円 |
5年間の基本維持費は約7万7,000円です。
ただし、この金額には保険、有料サポート、タイヤ交換、故障修理などは含まれていません。
保険・サポートを含めた場合の目安
| 選択方法 | 5年間の追加費用 | 基本維持費を含む合計 |
|---|---|---|
| 現在の保険で補償される場合 | 契約によって異なる | 約81,500円+追加保険料 |
| WHILL Smart Care | 99,000円 | 約180,500円 |
| WHILL Premium Care | 132,000円 | 約213,500円 |
WHILL Premium Careでは、利用条件によって専用機器の費用が別途必要になる場合があります。
また、火災保険や自動車保険の個人賠償責任特約で補償できる場合でも、対象範囲や追加保険料は契約によって異なります。
そのため、WHILLの維持費を考えるときは、「保険なしで約8万1,500円」と見るのではなく、現在の保険で補償できるか、公式サポートを付けるかを分けて考えることが大切です。
※実際の費用は使用頻度、バッテリーの交換時期、故障やタイヤの状態、保険の契約内容によって変わります。
▼ 軽自動車との衝撃の維持費比較データはこちら ▼

「バッテリー交換が面倒」ならレンタルの選択も

「それでも、数年後に数万円払うのは精神的に嫌だ」
「バッテリーの処分とか面倒くさそう…」
そんな堅実派の方には、「購入」ではなく「レンタル(介護保険利用)」という裏技があります。
介護保険(要介護2以上など条件あり)を使ってレンタルすれば、
- 月額2,700円程度で利用可能
- バッテリー劣化時は無料で交換
- 修理費も無料
これなら、維持費のリスクは完全ゼロです。
「介護認定を持っているか?」で、購入かレンタルかを決めるのが賢い選び方です。
▼ レンタルと購入、損益分岐点はどこ?徹底計算しました ▼

まとめ:バッテリー交換と保険を含めて維持費を考えよう

WHILLは、ガソリン代・車検・自動車税がかかる自動車と比べると、日常的な維持費を抑えやすいモビリティです。
一方で、維持費がまったくかからないわけではありません。
購入前には、主に次の費用を確認しておきましょう。
- 毎月の充電にかかる電気代
- 将来のバッテリー交換費用
- タイヤの摩耗や故障が発生した場合の修理費用
- 個人賠償責任保険や公式サポートの費用
- 販売店による点検・整備費用
Model C2・F・Rのバッテリー価格71,500円を、仮に5年間で準備するなら、月約1,200円を積み立てる計算になります。
ただし、実際の交換時期は使用頻度や充電回数、保管環境によって異なります。
年数だけで交換時期を決めず、走行距離の低下や充電状態を確認しながら販売店へ相談してください。
また、保険料やサポート費用は、現在加入している保険を利用するか、WHILL公式の有料サービスを利用するかによって大きく変わります。
購入価格だけで判断せず、バッテリー・保険・修理まで含めた5年間の総額を比較することが、購入後に後悔しないためのポイントです。
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